百合染野書店(たぶん仮)

小説をgdgdやってきます seasonal girl

seasonal girls 11

地域運動会当日。

4人の女子と豊橋(季高)節が参加することに。

しかし域内最初からハプニング発生!?

 

 

 

 

地域運動会当日。午前9時。土桜市民ホール内1階の受付前にて。
会場である市民ホールの大体育館にいつもの4人節と義父の6人が集まった。
春沢七海は運動会出場者兼節監視係。監視というものの、節が脱線行動することを止めるだけの仕事である。
小夏飛鳥は運動会のエントリー責任者兼出場者。
辻井秋奈は出場者兼料理係。6人分の弁当を用意している。
鈴山真冬は出場者兼保険係。ショルダーバッグに包帯や絆創膏などを所持している。
季高節は強制出場者。しかし、やる気がないため通常服装での出場。
義父は単に引率者。「いつも節がお世話になっています」と女子4人に挨拶した後、「じゃあ節の事お願いします。君たちの水を差すのも悪いから、観覧席で見守っています。それでは昼食にまた会いましょう」と捨て台詞を残してその場を去った。引率者の役目はどこへやら…。
何故義母ではなく義父が引率者としているのか。それは義母が女学院の部活の顧問のため、土曜日である今日も高校に出勤しているのだ。
そのため今回は義母の代わりに義父が引率者なのだ。妹はいつものようにどこかに出かけている、らしい。


地域運動会は校内運動会と異なる点ばかりである。
校内運動会は、徒競走や走り高跳や障害物競争などアクティブなものが多いのだが、地域運動会はノーアクティブ。
パンフレットによると、種目は10つ。節たちが出場可能な種目は、玉入れ、四方綱引き、パン食い競争、借り物競争、大玉転がしの5つ。
エントリー責任者である小夏飛鳥は、節をこの5つ全てに出場するように登録したらしい。節にとって厄介極まりない都合事である。
女子4人は1人1人出場競技を変えている。
春沢は玉入れ、小夏は借り物競争、秋奈はパン食い競争、真冬は借り物競争に出場する。(なお大玉転がしは全員参加の模様)
4人とも2競技しか出ないということを節は羨ましい気持ちになっていた。そりゃさぼれる時間が増えるのだから。
節は誰かとペアになって参加するのは好きではない。1人だとしても運動はしたい気分でもないというのに。
でも嫌だからと言ってどこかに遠出する気にもならない。
だから今、ここにいるのだ。嫌々ではあるが。
「楽しみだね。確か9時から開会式だから、もうそろそろだよ!」
「たまには体育やサッカー以外の運動をするのもいいものだな」
「12時にみんなで弁当食べようね」
「みなさん…怪我をなさらないように気を付けてくださいね…」
4人とも何かしらこの運動会を楽しみにしていたようだ。節にはその気持ちを共有するつもりがない。
早く終わらないかなと思うばかりである。
ピーンポーンパーンポーン。
「参加者受付時間が終了しました。9時にて2階大体育館にて開会式を行います。参加者の皆様、移動お願いします」
ピーンポーンパーンポーン。
市民ホール内にアナウンスが大音量で流れる。少しうるさいと感じるぐらいの音量であった。
そのアナウンスが流れた後、女子4人と節は大体育館へ移動することに。
春沢は節の手をつかみ歩き始めた。
「私たちから離れちゃだめだよ」
きりっとした目で節を見てから、大体育館への移動を始めた。
でも、移動を開始したのは自分たちだけではない。参加者全員が大体育館へ移動を試みていたため、人口密度が並みならぬものだった。(満員電車ほどではなかったが)
人混みが多いところは避けていきたいと思うのは、誰でも思うことだ。

大体育館にやっとの思いで着いた。ここにたどり着くだけでも協議ではないかと思うほど、全員体力を消耗していた。
「はあ、胸が邪魔で進みづらかった」、と秋奈が独り言のように呟く。
たった一言の呟きがほかの女子3人の心に突き刺さった。
秋奈は1年生の中での1番の巨乳少女。2学期に入ってから身体測定があったのだが、またバストの記録を更新したようである。
その他3人はそこまで大きくもなく、かといって小さいわけではない。ただ秋奈に比べて発育が乏しいのが事実だ。
「…いいですね…スタイルがよくて美人さんで…私と正反対な気もします」
「いわゆるボンッキュッボンッってやつだな」
「小夏ちゃん、その言い方なんか古臭くない?」
「え?じゃあ…ダイナマイトボディ?」
「…それも古い気がします…」
「私だって大きくなりたいから大きくなったわけじゃないよぉ」
3人の揶揄いによって、秋奈の頬は紅潮していく。
「でも胸が大きいのって、実際は利点ないよ。運動時に邪魔になるし、普通に過ごすだけでも肩がこっちゃったりとか、いいことなんて全くないよ」
「そりゃ日ごろから運動を怠っているからじゃないのか?そうすれば胸が邪魔って思いにくくなると思うし、肩がこるとかの問題点も無くなると思うんだが。何なら中学生の時やった、「あの運動メニュー」をまたやってみるか?」
「小夏ちゃんの鬼畜!悪魔!sadist!」
ネイティブな英語を自然と出てしまった。数秒の間、全員氷のように口が凍結した。
秋奈は日本人とノルウェー人のハーフである。時々だが英語やノルウェー語を自然に話してしまう。また、日本語でも一部わからない言葉とかもある。最近知らなかった日本語は「オーダーメイド」らしい。メイド(maid)をオーダー(order)するなんて、なんて破廉恥なことをさせられるのだろうと混乱していたようだ。(後に春沢から和製英語だと教えてもらったようである)
「あのとき、運動音痴をどうにかしたいって言ったけど、さすがに毎日筋トレとジョギングをそれぞれ1時間行うのはつらいよ」
「結果運動音痴は解消されたからいいじゃないか。だったら久しぶりにもう一度やってみたらどうだ?」
「毎日筋肉痛の日々は嫌だよー」
「…それは…苦行ですね…」

節は4人の痴話から体を背いていた。といっても少しだけ痴話には興味が出ていたため、盗み聞きしていた。
節だって思春期ではある。「おっぱい」という単語だけでもちょっとエロさを感じる。
しかし、節の知識はそこまでで止まっている。何せ小学5年生から中学生まで授業を受けていないからだ。
「エッチ」という単語を聞いてエロいと思うが、その内容は全く分からないものだ。
要するに性知識が小学生レベルということだ。
小夏は背を向いていた節に気づいて、横から顔を覗いた。節の顔をみてにんまりとする。
「おっ、節の顔が赤くなっているぞ。思春期でヘンタイな男の子だねぇ。前にも言ったように秋奈の胸を揉んじまえばいいのに」
「破廉恥な話はここまでにしようよぉ。それに誰であろうと私の胸を触らせないよぉ」
小夏が節の顔を人差し指で突いて揶揄う。秋奈は呆れたように溜め息をつく。真冬はこの状況をどうすればいいのか分からずに、オドオドしている。春沢は小夏の反対側で節に耳打ちをする。
「タカ君気を付けてよー。小夏ちゃんと一緒にいると体全身触られる危険性が高いからねー」
「なんで私がビッチ扱いされるんだ!」
「日ごろヘンタイ発言しているからにきまっているでしょ。小夏ちゃんも思春期でヘンタイな女の子だよ」
「人間は誰もが三大欲求を持っている。特に第二次性徴期である今が一番欲求を爆発しやすい時期なんだよ!」
「…第二次性徴期って…思春期と同じですよ…」
「真冬ちゃん…ツッコミどころはそこじゃないよ…」
節は何もツッコまずに話から逃げていた。
ただ帰りたい気持ちでいっぱいだった。
右手に常につけている時計を見た。とっくに9時になっていた。それに気づいたのは周りの参加者も同じだったようだ。
話に夢中になっていた4人は気づいていなかったようだった。
おかしい。
何故時間通りに開会式を開始しないのか。
「…あれ?」
「どうしたの?真冬ちゃん?」
「…もう9時を経過したはずなのですが…まだ…開会式が行われていません…」
女子4人の中で1番最初に気づいたのは真冬だった。女子3人も携帯や時計で確認した。
「確かに9時を過ぎている…」
「おかしいな。普通はことが遅くなる時は放送で連絡しないか?」
「そうだね。うーん。なんでだろう」
「でも私たち参加者が慌てても何もできないし、大人しく待つしかないよ」
慌てたところでどうしようもないのは、節もわかっていた。
わかってないことは、何故開会式が行われないこと。いっそのことこの地域運動会が中止というわけで帰りたい。


9時10分。何もアナウンスがかかってこない。流石に遅い。参加者の一部は苛立ちを感じているようだ。
女子4人は他愛もない話をしながら、アナウンスを気にしている。節は人混みが嫌すぎたため、一時大体育館から出ようと床から立ち上がる。
「タカ君?どうしたの?」
「…つかれた」
「おいおいまだ体を動かしてないぞ」
節は1人で出口に向かおうと歩こうとした。その時どこからか声が聞こえた。
「おお!タカタカ!」
音源の方向を向くと見覚えのある男子と目が合った。
「何故…ここに?」
「それはこっちの台詞だってーの。しかも女子を4人と一緒とは羨ましけしからん。リア充め」
「…は?」
リア充の意味も知らない節。(後に春沢に教えてもらいました)
三伏翔哉(みふししょうや)。今年の夏休みに土桜西小学校で再開した。掛川(かけがわ)工業高校在学中の同級生。小学生の頃のサッカー仲間(だと本人と春沢が言っていた)。
「えっと…失礼かもしれませんが…タカ君のお友達…ですか?」
「でも節から友達いるって話聞いたことないぞ。高校以外の場ではいつもボッチのイメージがあるんだが」
「小夏ちゃん、それはタカ君に失礼だよ」
そういえば春沢以外は知らない人物だった。だが、節は長々と昔話をする気もない。そのことを察したのか春沢が代役で説明をした。


「ってことは三伏君も参加だよね」
春沢の説明を終わったところで、早速三伏に質問する春沢。
「いや、俺はバイトで裏方の手伝いすることになってんだ。機材や競技に必要なものを運ぶとか」
「大変そうだな」
バイトは大概大変なものだろ。大変だからこそお金をもらった瞬間が最高のひと時だ」
「その気持ちわかるよー」
そう答えたのは秋奈だった。予想外な回答で3人は驚きを隠せなかった。
「秋奈がバイトをやっているとは…驚きだ」
長年の付き合いである小夏でさえも知らなかったことだったようだ。
「きっとそのスタイルの良さを利用して…中年の男性に媚びを売って、代わりにお金をがっぽりと…」
「してないよー!」
「じゃあ…どんなバイトをされているのですか…?」
「それは内緒。教えなーい」
「たぶん秋奈のことだから飲食関係だろ」
勘付かれたのか秋奈はビクッとした。分かりやすい。小夏はにやっとする。
「今度、秋奈の家近辺の飲食店を食べ歩きしながら探すか」
「だから内緒って言っているでしょ!」
「だったら運動会終了後で、その口から吐き出すまで全体を触ってやる」
「小夏ちゃんのヘンタイ!」
狼の小夏と羊の秋奈。羊が逃げようとしても狼がしつこく追って食らいつくそうとしている。
「女子高の生徒ってヘンタイばっかって聞いたけどここまでとは…。うらやましいぞ節」
そういわれても節にとって何一つ利点はない。
だが女子がヘンタイ発言するのは、なんかエロいのは共感できたようだ。
「タカ君も三好君も手で耳塞いで!」
「小夏さんも秋奈さんも…落ち着いてください…」
春沢と真冬がこの話を終わらせようと必死になる。
小夏と秋奈が落ち着いたところで耳を塞がれていた節と三伏が手を戻した。
「それと…大変そうだな、お前」
三伏は節に女子4人に聞こえない声で話した。


春沢が息を撫でおろした後に、はっと何か思いついたような顔をした。
「そういえば三伏君は裏方のバイトって言っていたよね?」
「ああ、そうだ。それがどうかしたか?」
「ねえ、何で開会式が開始されないか知っている?」
「俺は何も聞いてないなあ。分かったちょっくら聞いてくる」
即座に三伏は走って大体育館から出た。

一体なんで…始まらないのか。節は疑問に思いながら大体育館から出た。

 

 

あとがき

間に合いません!(発想が)( ゚Д゚)

どうも百合染野(ゆりぞめや)という者です。

頑張って文章を打っているつもりでも、本当は全く追い付いていない( ゚Д゚)

しかも最近数学の点数が下がっております。反比例して国語は点数上昇。どうなってんだよこれ。私は理系でござる。

さて今回、三伏翔哉君という男子が出てきました。

設定は

・節と春沢と同じ土桜西小学校出身

・節と同じくサッカー大好き少年

・「今日会った人は、次の日には友達」がモットー。

・現在は掛川工業高校に在学中。男子校

本来は夏休み編で出そうとした登場人物ですが、多忙だったためにかけなかった始末。( ゚Д゚)

今回の地域運動会が終わったら投稿しようと思ってます。(設定も含めて)

 

 

感想、誤植がありましたらコメントにご記入よろしくお願いいたします。

 

↓こっちも頑張っていかないと!( ゚Д゚)

yurizomeya.hatenablog.com